競馬をやっている私の楽しみの一つとして、「新馬戦」がある。

競馬を知らない人の為に軽く解説をしておくと、新馬戦というのは「デビュー戦」のことである。多くの競走馬は2歳〜3歳でデビューするのだが、その「初めてレースをする馬」ばかりが集うレースが「新馬戦」なのだ。

私はまず根本的に馬が「好き」なのだ。なので「ギャンブル」として競馬を楽しんでいる以上に、「ドラマ」を追い求めている。いい様に言えば「ロマン派」とも言える(そんな言葉が似合うキャラではないが。苦笑)。「スポーツ」として競馬を捉えているのだ。

競馬は「血のスポーツ」と言われているように、馬の血統というのがとても重要になってくる。良血馬はもちろん価格も高く、注目される。レベルの高いレースを勝つ確率も高くなる訳で、日本ダービーや有馬記念などの大レースを勝つ強い馬が出るのも、良血馬の場合が多い。

しかし競馬とは面白いもので、必ずしも良血馬が大レースに勝つとは限らないのである。良血馬が1勝もできずに引退するということはざらにある。逆に、とても地味で全くもって注目されないような血統の馬が、大レースを勝つことがある。

地味な血統で強い馬・・・代表的なのがオグリキャップ。良血馬を打ち負かし勝っていったオグリ。オグリの血統はとても地味だが、現実として大レースを勝ちまくった。そしてその「雑草魂」とも言うべき走りは、日本に一大競馬ブームを巻き起こした。競馬をやらない人でも、オグリキャップの名は知っている人が多い。

という訳で、競馬は良血であろうが地味な血統であろうが、スタートラインはみんな一緒。「大レースを制する」という、進むべき道も一緒。そんな「未来のスターホース候補」が集うのが、新馬戦なのである。

毎年、6月から新馬戦が始まる。今年も色んな血統の馬が勝ち上がっている。良血馬が順当に勝ち上がっていることもあれば、「おぉ」と言うぐらい地味な血統の馬も勝ち上がっている。

私の競馬歴は今年で11年目。11年も競馬を見ていると、昔走っていた馬が父親や母親となって、その息子や娘がレースに出走してくる・・・というケースが頻繁となっている。「あぁ、この馬の父(母)はあいつかぁ〜」という感じで、馬を見ている。こういうところで、「ギャンブルとしての競馬」というよりも「ドラマとしての競馬」を楽しんでいるのである。その思いが強く出るのが、新馬戦なのだ。

『親父が勝てなかった大レースを、子が制す』『良血に打ち勝つ雑草』・・・という、言わば「コテコテ浪花節」な展開に夢を抱きつつ、馬券を買ったりしてレースを楽しんでいる。私の場合は、馬券を買わなくても「レースだけ見て楽しむ」という「スポーツ観戦としての競馬」も楽しんでいる。最近は、むしろこっちの方が圧倒的に多い。

今まで行われてきた新馬戦を見ていて、気になる血統の馬が1頭いる。その馬とは、7/16(土)小倉6レース新馬戦を快勝した「ミッキーコマンド号(牝馬)」。血統は実に地味で、この馬の父はダンディコマンド。実はこのダンディコマンドの現役時代を、私は追い掛けていたのだ。

ニホンピロウイナー譲りの、圧倒的なスピードの持ち主だったダンディコマンド。ダンディ自身も、そんなに目立つ血統ではなかった。デビューも、3歳(昔の年齢表記では4歳)冬の小倉開催という地味さ(笑)ところが、あれよあれよの3連勝!乗っている騎手がいぶし銀・村本騎手という渋さも手伝って、私はダンディを応援していた。

皐月賞の前哨戦・スプリングSに出走したダンディを、私は激烈に応援したのを覚えている(笑)何しろ、1番人気があの「藤沢&岡部」ブランドで尚且つ良血(サンデーサイレンス産駒)のバブルガムフェローだったから(爆)

結局は好走したものの敗退。続く皐月賞でも、5着といいところまでは行ったが敗退・・・その後のダンディコマンドは、足元が弱かったこともあって故障がちとなり、引退まで出走できたレース数はそんなに多くなかった。勝てた重賞レースも、北九州記念(G3)1勝だけ。素質は良かっただけに、体質さえ強ければ・・・との思いが未だにある。

引退後は種馬になったのは知っていたが、今年が初産駒デビューの年とは知らなかった。そして、いきなりミッキーコマンドという好素材が出現!!厩舎は、父が所属したのと同じ福島信厩舎。しかも九州産馬ではないか!!九州産馬限定競走ではないレースでの九州産勝利、これは価値がある(九州でも馬産は行われているが、本場・北海道に比べると規模・レベル共に高くないと言われている。なので、北海道産が出走するレースで九州産が勝つことはあまりない)。

今年はミッキーコマンドを追い掛けてみようかな?まずは小倉2歳S制覇を目標として、頑張って欲しい!「九州産馬のG1制覇」となれば、本当に嬉しいものであるが、果たして!?

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