もっぱら「お笑い系」に「阪神馬鹿」、関西人丸出しのこの私だが、実は意外にも「歴史馬鹿」であったりもする。

なので、NHKの大河ドラマはよく見る。今年の大河『功名が辻』も、もちろん見ている。戦国武将・山内一豊と妻・千代のお話。千代と言えば、有名なのが「内助の功」。夫・一豊の為に、あれやこれやと奮闘する。

先日、その『功名が辻』を見ていて、こんなシーンが。上川隆也演じる一豊が、フラフラになりながらも戦場から無事帰還。それを見た仲間由紀恵演じる千代は、「戦場で命拾うことこそ、最大の功名でございます」と言って、一豊を涙ながらに出迎える・・・

「命拾うことこそ、最大の功名」・・・今回のWBC日本代表を見ていて、このセリフがピッタリ当てはまるような気がする。

韓国に2度目の敗戦を喫した時、誰もが「準決勝進出は無理」と思った・・・ところがどうだ。アメリカまさかの敗戦。「失点率」のわずかな差で、日本は準決勝進出を射止めた。まさに「命拾い」。

「命拾い」という言葉は、何となく「偶然・ラッキー・奇跡」というイメージが付きまとう。確かにその一面は否定しないが、今回の日本代表の命拾いは、ちゃんとした理由(伏線)があったと思っている。

2次リーグ1勝2敗の日本。ただ、負けた試合でも決して「諦めた敗戦」ではなかった。疑惑の判定で落としてしまった対アメリカ戦は4失点で3得点。悔しさが滲んだ対韓国戦でも2失点1得点。「得失点」の差は、負けた2戦とも最小限に喰い止めているのだ。そして、勝った対メキシコ戦は1失点6得点。大量得点にも気を緩めることなく、メキシコを1点に抑えた。

負けた試合でも勝った試合でも、腐ることなく奢ることなくしっかりプレーした日本代表。この姿勢が、準決勝進出という命拾いに繋がったのだと思っている。

そして今回。韓国との「3度目の正直」で、見事撃破。あのイチローが、試合後のインタビューでは興奮のあまり声が上ずっていた。日本代表は相当な気合いを持って試合に挑んでいたのだ・・・と痛感するワンシーンだった。

この試合、福留の2ランをはじめとした「打線の爆発」が注目されるが、最大の勝因は「上原の好投」に尽きると思う。もうこれは圧巻だった。気迫のピッチングで、素晴らしいの一言!普段なら巨人選手ということで「敵方」の選手である上原だが、今回ばかりはそんなこと関係なし。ナイスピッチングに拍手。

この大会では、本当に投手陣が頑張っていると思う。この粘り、決勝の対キューバ戦でも発揮してほしい。先発予定の松坂は、どんなピッチングをしてくれるのだろうか。本当に楽しみ!(球児&久保田にも出てきてほしい。笑)

さて、敗れた韓国代表だが、こちらも日本を2度破っただけあってさすがだった。「オールスター」で挑んできた気合いは、今回のWBCを大いに盛り上げたと思う。韓国代表の活躍は、「国際大会への取組み方」「チーム編成の在り方」等の問題を、大いに考える契機を日本に与えたと思う。

日本だけでなくアメリカでも「WBCよりもシーズン」という考え方があって、なかなか選手が揃わなかったりモチベーションが上がらなかったり・・・と紆余曲折があった。その点、韓国代表は「兵役問題」の絡みがあるとは言え、気合いのフルメンバーで快進撃。躍進した。

その結果、「ほんまに盛り上がるんかいな?」と思っていたWBCが、「韓国へリベンジ!」という感じで日本でも大盛り上がりに。今後は、国内シーズンも大切だが、それ以上に「国際大会」を本気で獲りに行くべきじゃないか・・・と思う。そうすれば、今言われている「野球人気低下」問題への解決にも、一歩近づくのではないだろうか。

現実として、WBCでこんなにも野球が盛り上がっている。やっぱり「本気のプレー」には、誰だって関心があるということだろう。

ともあれ、韓国代表の今回の戦いぶりは凄かった。拍手・・・と言いたいところだが、一つだけ「それはアカンやろ」と残念に思ったことが。

それとは、2次リーグで韓国が日本を破った時のこと。勝利に盛り上がる韓国代表は、嬉しさ爆発の勢い余ってかマウンドに韓国国旗を立てていた・・・

これはやってはいけないことだろう。TVで掛布さんも言っていたが、あれは日本や野球発祥国・アメリカに対する「侮辱」と言っても過言ではない。優勝したならまだしも、2次リーグでやるべきことではない。韓国というお国柄、「打倒日本」は分からないでもないし、スポーツにはそういう一面があっても仕方ないか(サッカーは特に)とは思うが、あれだけはやってはいけない行為だと思う。

さあ日本。次は国際大会を知り尽くしたキューバと決戦!最強の敵。頑張ってほしい!

コメント